ブログ
P&A TIPS
ご相談はこちら
CONTACTご相談はこちら
P&A TIPS
2025.07.07法人向け
企業ブランディングは、企業の存在意義や信頼を社会に伝えるための経営戦略のひとつです。
競合他社のなかで「この会社から買いたい」「ここで働きたい」と選ばれるには、機能や価格だけでなく、企業の思想や姿勢の差別化が欠かせません。
しかし、ブランディングの重要性を感じつつ「何から始めるべきなのか」「どのような方法で行うのか」など、悩みを抱える企業も多いでしょう。
本記事では、企業ブランディングの基本概念から、実施手順、具体的な施策までを詳しく解説します。自社のブランド強化を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは、自社が持つ独自の価値観や存在意義、社会的役割を明確にし、社内外に一貫して伝えていく経営戦略です。単なる「ロゴ」や「キャッチコピー」の制作ではなく、企業理念やビジョン、社員の姿勢、職場文化にまで浸透する広範な取り組みを指します。
たとえば「働きがいを大切にする会社」というブランドを掲げた企業は、広告だけでなく実際の職場環境や制度設計を通じて、そのメッセージが真実であることを示さなければなりません。つまり、企業ブランディングとは、社外への発信だけでなく、社内の実践も含めて、企業の本質を形にするための活動です。
一貫した価値観を共有することで、顧客や求職者、投資家などあらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、長期的な企業価値の向上につながります。
「ブランド」という言葉は、家畜に押された焼印(brand)に由来します。焼印は、所有者を識別するための印であり、現代のロゴやマークの原型ともいえる存在です。
現代において、ブランドは単なる識別記号ではなく、消費者の心に宿る「信頼」や「期待」の象徴となりました。しかし、ブランドは、企業が一方的につくるものではありません。消費者や社会との関係性のなかで育まれ、評価されて初めて成立するものです。
ブランディングの目的は「他社ではなく自社を選んでもらう理由」をつくることです。製品やサービスがあふれる現代において、機能や価格だけで差をつけることはますます難しくなっています。そんななか、企業の姿勢や世界観に共感を持った顧客は「選ぶ理由」をブランドに見出します。
ブランドが確立されれば、価格競争に巻き込まれにくくなり、高い利益率を維持することも可能です。見えないけれど確かに存在する無形の資産として、企業価値を支える根幹となるでしょう。
現代は選択肢にあふれ、情報も溢れかえる時代です。商品やサービスのスペックだけでは、顧客に選ばれる理由として不十分になっています。そこで注目されるのが「このブランドだから信頼できる」という感覚である体験価値=CX(カスタマー・エクスペリエンス)です。
たとえば、同じ価格帯のスポーツウェアでも特定のブランドを選ぶ人がいるのは、単なる素材や機能性だけでなく、その背景にあるストーリーや企業姿勢に共感しているからです。共感や信頼は、顧客をリピーターに育て、結果としてLTV(ライフタイムバリュー)を高める源になります。
さらに、少子高齢化・人材不足といった社会的な課題も深刻化するなか、企業の人を惹きつける力としてブランディングの重要性は増しています。
ブランディング、マーケティング、プロモーションは、混同されがちですがそれぞれ異なる役割を担っています。
ブランディングは、選ばれる理由をつくる土台です。一方、マーケティングは、ブランドの価値を市場で機能させるための仕組みづくりであり、いわば戦略を具体化する「設計図」のような存在です。プロモーションは、設計図にもとづいて具体的な広告やキャンペーンといった実行フェーズを担います。
たとえば、ある食品メーカーが「安心・安全素材だけを使う」という理念を掲げていたとしましょう。これがブランディングです。その理念を誰に、どのように届けるかを設計するのがマーケティングです。そして「初回限定20%オフ」のような施策を通じて購買を促すのがプロモーションにあたります。
このように3つの要素が連携してこそ、ブランドのメッセージは市場で効果的に伝わります。逆に、短期的なプロモーションだけに頼ってしまえば、顧客との関係性は一過性で終わってしまうかもしれません。
ブランディングを起点に戦略を組み立てることで、伝えるべき価値がぶれずに届き、企業への信頼や共感が積み重なっていきます。
企業ブランディングは「社外に向けて価値を伝えるアウターブランディング」と「社内に向けて価値を共有するインナーブランディング」という、2つのアプローチから構成されます。
アウターブランディングは、生活者や顧客に向けて企業の理念や魅力を発信し、ブランドに共感するファンを育てるための取り組みです。広告やSNS、店舗での体験などを通して「どんな会社か」を伝え、選ばれる理由を築いていきます。
一方で、インナーブランディングは、従業員に自社の価値や使命を浸透させ、共通のブランド意識を育む活動です。2つのブランディングが連動することで、社内外に一貫したメッセージが伝わり、より信頼性のある企業像が築かれていきます。
企業ブランディングとは、社外への「見せ方」だけでなく、社内における「あり方」までも含めた、総合的な価値設計といえます。
ブランディングには、企業全体のイメージをつくるだけでなく、目的や対象に応じてさまざまなアプローチがあります。定義や分類には諸説ありますが、本記事では代表的な4つのブランディング手法に絞って紹介します。
製品ブランディング(プロダクトブランディング)は、商品そのものにブランドの力を宿らせ「その製品だから選ばれる」という状態をつくる手法です。多くの選択肢がある市場において、ただ「よい製品」では埋もれてしまう時代だからこそ、製品の個性を際立たせることが必要です。
この手法では、製品の機能や品質に加えて、パッケージデザインやネーミング、広告の打ち出し方まで含め、すべてをブランドコンセプトに沿って設計します。素材の原産地や製造工程を強調することで、消費者に安心感や共感を提供できるでしょう。
たとえばKitKat(キットカット)はネスレが販売している製品ですが、多くの消費者にとっては企業名よりも商品そのものが強く印象に残っています。とくに「きっと勝つ」という語呂合わせを利用した受験シーズンのキャンペーンは、単なるお菓子を超えた価値を生み出しました。
このように、製品にストーリーや体験価値を重ねることで、競合との差別化が生まれ、顧客に選ばれ続ける製品ブランドが確立されます。
サービスブランディングは、製品のように形のある「モノ」ではなく、形のない「体験」や「提供される価値」に対してブランドを築く手法です。サービスの質はもちろん、接客の丁寧さや店舗の雰囲気、利用後の満足感など、体験全体がそのままブランドイメージに直結します。
たとえば、STARBUCKS(スターバックス)はコーヒー自体ももちろん品質にこだわっていますが、それ以上に「自分好みにカスタマイズできる」「落ち着いた空間でくつろげる」「接客が丁寧」といった体験全体がブランドの核となっています。同じようなコーヒーを提供する店がほかにもあるなかで、あえて高価格でもスターバックスを選ぶ人が多いのは、サービスブランドが確立されているからです。
なお、サービスブランディングは「サービス業」に限った話ではありません。むしろ、顧客との接点が多い飲食店や小売業など接客や空間そのものが商品の一部になる業種にこそ、効果がダイレクトに現れます。
採用ブランディングとは、自社で働くことに魅力を感じてもらえるよう、求職者に対して企業の価値や文化を戦略的に発信する取り組みです。認知獲得ではなく「この会社で働きたい」と共感してもらえる状態をつくることが目的です。
たとえば、社内の雰囲気や働き方、社員の想いなどを採用サイトやSNSで発信し「人」や「環境」に惹かれた求職者を引き寄せる施策が挙げられます。STARBUCKSのようにブランドの世界観を体験として伝えることで、単なる就職先ではなく、成長する場所として選んでもらえるでしょう。
また、採用ブランディングは「企業と人材のミスマッチを防ぐこと」が可能です。ブランドとして一貫したメッセージを伝えることで、入社後のギャップが少なくなり、定着率やエンゲージメントの向上にも寄与します。
採用は、企業の未来を形づくる重要な経営戦略の一端です。だからこそ、働く場としてのブランド価値を育てていくことは、持続的成長を支える重要な投資だといえるでしょう。
こちらの記事では、新卒採用について解説しています。
流れや効率化するためのポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
リブランディングとは、企業やブランドの顔を時代や顧客の変化に合わせて再構築する手法です。ロゴや社名を変えるだけではなく「このブランドは何のために存在するのか」という根本的な問いに立ち返り、企業の価値や方向性を再定義することが目的です。
たとえば、ある老舗メーカーが代替わりをきっかけに社名を刷新し、新しいロゴやブランドストーリーを打ち出したケースがあります。昔ながらの職人気質を大切にしつつ、デジタル化やSDGsに配慮した製品開発を進めることで、若い世代からも共感を集め、再成長のきっかけを得られます。
とくに後継者にとっては、前の世代から事業を引き継ぐのではなく、自分らしい経営を始めるための手段として有効です。ブランドメッセージの再設計を通じて、社内外に新たな方向性を明示でき、意識改革や組織の活性化につながります。
ここでは、ブランディングを行う6つのメリットを紹介します。
企業ブランディングは、採用活動でも大きな効果を発揮します。なぜなら、企業の理念や価値観が明確に伝わっているほど、求職者から「ここで働きたい」と感じてもらえる可能性が高まるためです。
たとえば、有名企業が就職先として人気を集めるのは、単に知名度の高さだけではありません。「安定感がある」「社会貢献に取り組んでいる」「従業員を大切にしている」といったポジティブなイメージが浸透しているためです。
一方、知名度の低い中小企業が優秀な人材からの応募を集めるためには、ブランドの魅力をきちんとアピールすることが重要です。たとえば「地方発のユニークな技術で社会を変える」「少数精鋭で自由な働き方ができる」といった、自社の強みや特徴をアピールしましょう。ブランディングによって明確に発信することで、価値観の合う人材が集まりやすくなります。
株式会社プレイス&アビリティでは、SNSを活用した最先端採用ツール「バズくる‼」を提供しております。
詳細は以下よりご覧ください。
ブランディングは、企業の「信用力」を高め、資金調達を有利に進めるための武器になります。会社の成長や新規事業への挑戦には、多くの場合、銀行融資や投資家からの出資といった外部資金が必要です。その際、ブランドとしての信頼性や社会的評価があるかどうかは、資金提供者の意思決定に大きく影響します。
たとえば「明確なビジョンがある」「SDGsに取り組んでいる」など、ブランドの信頼性や成長性を金融機関や投資家に与えられると、評価が高まります。ブランディングを通じて、単なる財務データでは測れない「この企業を応援したい」と思わせるストーリーを築けるのです。
実際、創業間もないスタートアップ企業でも、理念やブランドの世界観に共感した投資家から多額の資金を調達する例があります。また、地方の中小企業が地域密着ブランドを築くことで、自治体や地元金融機関からの信頼を獲得し、新規事業の支援を受けるケースも少なくありません。
安定した信用と魅力的な未来像を示せると、企業の規模や創業年数に関係なく、成長に必要な資金を確保できます。
ブランディングは顧客や市場だけでなく、社内の従業員にも大きな変化をもたらします。企業の理念や存在意義がブランドとして明確に伝わることで、従業員の意識や行動が前向きに変化していくのです。
たとえば、社会貢献を掲げるブランドであれば、社員は「自分の仕事が世の中の役に立っている」という実感を持ちやすくなります。また、ブランドが社内に浸透すると、業務の判断基準や対外的な対応においても一貫性が生まれます。社員一人ひとりが「自社らしさ」を理解していることで、トラブル回避やクレーム対応にも強くなり、組織全体の信頼感が高まるでしょう。
また、ブランド価値の高い企業では、自信や誇りを持って働く社員が増える傾向があります。これがコンプライアンス意識の向上にもつながり「信頼される企業の一員でありたい」「ブランドを守りたい」という内発的な責任感が育っていきます。
ブランドが確立された企業は、マーケティング活動において大きなアドバンテージを持ちます。なぜなら、ブランドそのものが「信頼」や「共感」という無形の価値を生み出し、顧客の心に響くからです。
たとえば、ブランド価値が確立されている企業の新しい製品やサービスは「この会社の製品なら間違いない」と期待され、購入ハードルが下がります。また、ブランドの世界観やストーリーが明確な企業では、広告・SNS・店頭などあらゆる媒体でのメッセージに一貫性が生まれ、認知を加速させます。
さらに、ブランド価値が高い企業は、共感したファンが自発的に情報を広めてくれるため、広告にかける予算を抑えつつ、高い成果を得ることが可能です。熱量の高いファンが増えると、継続購入や紹介が広がり、マーケティングコストの効率化に寄与します。
ブランディングが確立されている商品やサービスは、価格だけに頼らない販売戦略を実現できます。
たとえば、同じ性能を持つ商品が複数あるなかで、自社の商品が「かっこいい」「使っている自分が誇らしい」と思われていれば、多少高くても選ばれます。これは、商品の「機能」ではなく「意味」や「価値」が伝わっているからこそ起きる現象です。
実際、AppleのiPhoneはほかのスマートフォンより高価格にもかかわらず、ブランドへの信頼やスタイルの象徴として選ばれ続けています。逆に、ブランドの個性や魅力が伝わっていない商品は、見た目や価格しか違いが見えず、顧客は「安い方」を選びがちです。結果、価格競争に巻き込まれ、利益率も下がってしまうでしょう。
ブランディングが成功すると、一度だけの顧客ではなく、企業やブランドに強い愛着と信頼を持ち、継続的に応援してくれるロイヤルカスタマーが生まれます。
ロイヤルカスタマーとは、価格や機能ではなく「このブランドだから買う」と選んでくれる顧客です。たとえばスターバックスには、コーヒーの味や価格以上に「空間」「価値観」「世界観」に魅力を感じる顧客が多くいます。こうしたブランドは、商品そのものだけでなく、体験や想いに共感するファンを多く持っています。
ロイヤルカスタマーは購買単価が高く、他人への紹介やSNSでの発信にも積極的なため、企業にもたらす価値は非常に大きくなるでしょう。
ブランディングは企業の成長や信頼獲得に多大なメリットをもたらしますが、その一方で注意すべきデメリットも存在します。ここでは、代表的なデメリットを2つ紹介します。
ブランディングは、短期間で結果が出るものではなく、長い時間と多くのコストを要する取り組みです。
ブランド価値をつくり上げるには、企業の理念やメッセージを明確にし、社内外に統一して伝えるための準備が欠かせません。具体的には、ロゴ・パッケージのデザイン制作やコーポレートサイトの更新、広告・SNSによる情報発信が挙げられます。これらを成功に導くためには、ブランディング専門会社やデザイン制作会社への委託費用が必要になるため、コスト負担が増大します。
また、従業員がブランドの考え方を理解し、日々の業務に反映するためには研修やマニュアル整備も必要です。つまり、ブランディングは「つくる」だけでなく「育て、広げ、保つ」ための継続的な投資を覚悟しなければなりません。
ブランディングの刷新によって企業の価値観やビジョンが変わると、長く働いてきた社員のなかには「会社が変わった」と感じ、違和感や不安から離職を選ぶ人が出る可能性があります。とくに、長く勤めている社員ほど、変化を大きく受け止めやすい傾向があります。
リスクを減らすためには、ブランディング構築の過程で社内コミュニケーションを重視し、社員一人ひとりが意図を理解し納得できるようにすることが重要です。
ここでは、ブランディングの基本ステップを順番に紹介します。
ブランディングを始める第一歩は、自社の現状を正確に把握することです。自社の商品やサービス、顧客の評価、競合環境、社内の価値観や文化など、多角的な視点から現状分析を行うことで、ブランドの課題や強みを明確にできます。
現状分析では、外部環境と内部環境という2つの視点をバランスよく検討することが重要です。外部環境とは、市場の動向や規模、顧客のニーズ、競合他社の状況など、企業の業績に影響を与える社外の要素を指します。自社の商品やサービスが現在の市場トレンドに合っているか、競合がどの程度存在しているかを把握しましょう。
一方、内部環境は自社の人的資源や資産、予算といった社内のリソースを意味します。戦略を実行するために十分な人員がいるか、どの程度の規模で取り組めるかなどを検討します。
代表的な分析手法である「3C分析」や「SWOT分析」は、これらの外部・内部環境の両面から現状を見つめるためのフレームワークです。3C分析は、市場・競合・自社の関係を整理し、自社の立ち位置を把握するのに役立ちます。一方、SWOT分析は自社の強み・弱みと外部環境を整理し、戦略課題を明確にする際に有効です。
ひとつの方法に偏らず複数の分析を組み合わせることで、より広い視野で課題や強みを見つけられます。
次に、自社が目指すブランドの核となるイメージや価値観を明確にします。現状分析で見つけた強みをもとに「誠実さ」「親しみやすさ」「環境への配慮」など、明確なブランド像をつくりましょう。
ただし、顧客が抱くイメージは多様です。企業が伝えたい姿と顧客の認識にズレが生じると、満足度の低下につながるため、両者の認識をすり合わせることが大切です。
ブランドの核となる価値を土台に、具体的な戦略を策定します。
戦略策定では、ブランドイメージにふさわしいロゴや名称の決定、社内への浸透、効果的な広告手段の選択、そしてターゲット顧客の設定といった段階を踏みます。どの顧客層に向けて訴求し、市場でどのようなポジションを築くのかを明確にしましょう。
また、外部への発信を効果的にするには、社内の従業員がブランド理念やイメージをしっかり理解し、共有していることが重要です。発信するすべての要素でブランドの方向性がぶれないように整えましょう。
ブランディング戦略は、計画を実行しながら成果を継続的に評価し、改善していくことが重要です。
まず、ブランドの認知度を高めることが重要です。単に名前を知っているだけでなく、製品の特徴や企業の価値まで理解されているかどうかを把握しましょう。たとえば、自社のWebサイトのアクセス解析や顧客アンケートを通じて認知の深さを確認できます。
さらに、ブランドに対する推薦度を数値化する「Net Promoter Score(NPS)」を用いると、顧客満足度を客観的に評価できます。顧客視点でブランドの現状や改善すべきポイントを把握できるため、顧客ファーストなブランディング戦略の見直しに役立ちます。
また、ブランド価値を高めるためには、経営層から現場の従業員までがブランドの意図や方針を共有し、一貫した行動をとることが欠かせません。そのためには、経営者は定期的にブランドの意義や方針を従業員に伝え、浸透を図る必要があります。
なお、顧客ニーズや市場環境は常に変化するため、運用データや市場調査の結果をもとに定期的に検証を行い、戦略の定期的な見直しが必要です。短期間で成果が出にくい企業ブランディングだからこそ、粘り強く長期的にPDCAサイクルを回し続けることが大切です。
リブランディングとは、企業のブランドが市場や顧客の変化に対応できなくなったときに、ブランドのイメージや戦略を見直して刷新することを指します。競合の増加や時代のニーズの変化により、従来の強みが陳腐化した場合に効果的な手法です。
まずは、市場環境や競合状況、顧客の価値観の変化を改めて詳しく分析し、既存ブランドの課題や効果が弱まっている原因を明らかにします。次に、分析結果をもとに新しいブランド戦略を立てます。ターゲット層の見直しや差別化ポイントの再構築、企業が社会に提供する価値の再定義を行い、より現代のニーズに合ったブランド像をつくりあげましょう。
最後に、新たなブランド戦略を社内外に浸透させるため、社員への共有と理解促進、効果的な広告やPR活動を通じてブランドの再認知を図ります。広告やSNS、イベントなど多様な手段を活用し、計画的に浸透させていきましょう。
ブランドを強化し、消費者の心に深く印象付けるためには、さまざまな施策を組み合わせて効果的に展開することが大切です。ここでは、代表的なブランディング施策を9つ紹介します。
キャッチコピーは、企業や商品の魅力を端的に伝える強力な言葉です。
たとえば、資生堂の「一瞬も一生も美しく」は、単なる化粧品の宣伝にとどまらず、ブランドが目指す価値観やライフスタイルを象徴しています。このように、キャッチコピーは企業の理念やブランドが提供する価値を、短い言葉に凝縮して表現します。
広告やWebサイト、SNS、商品パッケージなど、あらゆる媒体で一貫して使われることで、ブランドの印象が確立されていくでしょう。
ブランドキャラクターは、企業や製品のイメージを視覚的・感情的に伝える「ブランドの象徴」です。親しみやすく印象的なキャラクターは、顧客との距離を縮め、ブランドの認知度や好感度を高めます。
堅い印象のある企業でも、キャラクターを通じてブランドに親しみやすさや柔らかさが生まれ、親近感を与えられます。
ロゴは、ブランドの印象を一瞬で伝える視覚的な名刺です。わずか数秒で見る人の記憶に残るロゴは、ブランドの世界観や理念を象徴的に表現し、顧客との最初の接点となります。
なお、ロゴは、Webサイトや商品パッケージ、名刺、パンフレット、ノベルティ、店舗看板、ユニフォームなど、ブランドに関わるあらゆる場面で登場します。だからこそ、どこで使っても印象がぶれないように、色やサイズ、余白のルールなど「ロゴの使用ガイドライン」を明確に定めておくことが重要です。
パッケージは、ブランドの世界観を形にし、手に取った瞬間から顧客との関係を築く接点です。
たとえば、GODIVA(ゴディバ)のチョコレートは、味だけでなく高級感のあるパッケージによって「特別な贈り物」というブランドイメージを築いてきました。また、環境配慮型の企業が再生紙や簡易包装を採用すると「サステナブルなブランド」というメッセージを伝えることが可能です。
近年は「中身だけでなく、パッケージで選ばれる」時代ともいわれています。そのため、SNS映えを意識したデザインや、開封体験そのものを演出する仕様も注目されています。実際、開封動画は製品の認知拡大にもつながるため、体験価値としてのパッケージ設計も無視できません。
そのため、デザイン性と機能性を両立させつつ、ターゲットに伝わるパッケージづくりが求められます。
企業がスポーツや文化イベントなどの活動を支援することで、自社ブランドが持つ価値観や世界観を結びつけるのがスポンサードです。単なる広告とは異なり「この活動を支えている企業」として自然に人々の記憶に残るため、ブランドの信頼性や親近感を高める効果があります。
たとえば、トヨタは長年オリンピック・パラリンピックのグローバルスポンサーを務め、ブランド姿勢の「Start Your Impossible」を世界規模で発信しています。共感性の高いイベントと結びつけることで、ブランドへの印象はより深く、長く心に刻むことが可能です。
Webサイトやオウンドメディアは、ブランドの理念や世界観を自社の言葉で丁寧に伝えられる、最もコントロールしやすい情報発信の場です。
検索エンジンやSNSからの訪問者に対して、企業のストーリーや価値、商品・サービスの魅力をじっくり伝えられるため、信頼関係の構築に欠かせません。読み物としてのコンテンツを充実させることで、ユーザーとの接点が増え、ブランドへの理解や共感を深められるでしょう。
SNSは現代のブランディングにおいて欠かせない重要なツールです。企業はさまざまなSNSを活用し、ブランドの世界観や価値観を直接ユーザーに伝えられます。
たとえば、SNSを活用した新製品の情報発信だけでなく、ユーモアを交えた投稿やユーザーとの対話を積極的に行っている企業もあります。顧客の質問や要望に素早く反応することで親近感を生みやすく、ブランドのファンを増やせる環境づくりのひとつといえるでしょう。キャンペーンや限定メニューの告知をSNSで展開し、話題を広げることも有効策です。
SNSは単なる宣伝手段にとどまらず、顧客とブランドがリアルタイムで交流する場として、ブランドの信頼感や魅力を高める重要なチャネルです。ターゲットに響くコンテンツづくりと継続的なコミュニケーションが、強いブランド構築につながります。
イベントやセミナーは、直接の販売促進だけでなく、ブランドへの信頼を築き、顧客との長期的な関係を強化する重要な手段です。
たとえば、アウトドア用品メーカーのモンベルは、キャンプや登山の体験イベントや環境保護に関するセミナーを定期的に開催し、顧客との交流を深めています。一方、BtoBの分野では、勉強会や専門的なセミナー、シンポジウムを計画的かつ継続的に実施し、企業理念を具体的に伝える機会として活用する傾向にあります。
企業の理念を具体的に伝える機会として、計画的かつ継続的に実施することが効果的です。
テレビCMは、商品やサービスの販売促進や告知にとどまらず、企業やブランドへの信頼感を築く強力な手段として活用されています。Web広告が浸透した今でも、テレビならではの広範なリーチ力と信頼性の高さは、ブランディング施策として大きな価値があります。
また、映像と音声を使ったテレビCMは、静止画や文章に比べて多くの情報を短時間で伝えられるため、ブランドの世界観や価値観を直感的に印象づけることが可能です。
ここでは、ブランディングを成功させるポイントを5つ紹介します。
ブランドアイデンティティとは、自社がどのような存在でありたいか、どんな価値を提供したいかを示す、ブランドの「核」となる考え方です。
軸が曖昧なままでは、ブランディングの方向性がぶれてしまい、メッセージも顧客に正しく届きません。まずは経営者や社員の間でアイデンティティを明確にし、共通認識を持つことが重要です。
そのうえで、キャッチコピー、ロゴ、広告、社会活動など、あらゆる表現にブランドの軸を一貫して反映させることで、企業のイメージがより強く印象づけられるでしょう。
ブランディングはひとりだけの努力では実現しません。経営層から現場のスタッフまで、全員がブランドの価値や方向性を理解し、同じ目標に向かって動く必要があります。
社内のコミュニケーションを活発にし、定期的な情報共有や研修を通じて、社員一人ひとりがブランドアンバサダーとしての役割を果たせる体制を作りましょう。
ブランディングは短期間で成果が出るものではありません。ブランドを育てて定着させるには、継続的かつ計画的な取り組みが求められます。
まずは中長期的な視点でブランド戦略を立てましょう。そして、ターゲット層の変化や社会情勢に合わせて柔軟に軌道修正を加えながら、定期的に発信を続けていくことが大切です。
年単位でじっくり育てていくイメージを持つことで、ブランドは市場に根づき、信頼や共感を得る存在へと成長していきます。
ブランド価値を正確に伝えるには、顧客の視点でニーズや課題を正確に理解することが大切です。どんなお客様に対して自社のどの強みが役立つのかを明確にしましょう。
そのうえで、自社の独自性や強みを客観的に分析し、競合との差別化ポイントを明確に打ち出す戦略を立てます。顧客視点と自社の強みを掛け合わせた取り組みが、共感と信頼を生み、選ばれるブランドの育成につながります。
大企業の手法をそのまま真似しても、コストがかさむだけでなく、運用が難しくなる可能性があります。企業の規模やリソースに応じて、無理のないブランディング戦略を立てましょう。
中小企業やスタートアップの場合は、地域に根ざした活動や特定のニッチ市場への集中など、強みを活かしたターゲット設定が効果的です。ターゲットを絞り込むことで、限られたリソースを最大限に活用できるため、費用対効果の高いブランディングが可能となります。
さらに、自社の特徴やコンセプトにマッチした媒体や手法を選ぶことも成功のポイントです。自社の強みが発揮できる分野に注力し、無駄なく効率的にブランド価値を高めることが、規模を問わず着実なブランド構築につながります。
ここでは、実際によく見られるブランディングの失敗例を4つ取り上げ、注意すべきポイントを解説します。
ブランディングが失敗に終わる大きな原因のひとつが、社内でブランドメッセージが統一されておらず、担当者や地域によって顧客への伝え方や行動に差が生じることです。
仮に、商品自体が優れていたとしても「この会社は何を大切にしているのかわからない」という印象を与えてしまえば、長期的なファンづくりは困難です。一度決めたブランドコンセプトやメッセージは、広告、商品説明、接客、SNSの発信内容に至るまで、すべての接点でブレがないように運用することが求められます。
ブランドが市場で支持され続けるためには、時代の変化や顧客ニーズの移り変わりに柔軟に対応することが欠かせません。
たとえば、かつては「高級感」や「所有すること」が価値とされていた商品でも、近年では「サステナビリティ」や「シェアする文化」が求められるようになっています。それにも関わらず、過去のままの打ち出し方に固執すれば、時代遅れな印象を与えてしまいかねません。
変えてはいけない軸は守りつつも、伝え方や打ち出し方は、常に時代や顧客の感覚に寄り添っていくことが重要です。
ビジョンを経営層だけで決めてしまうと、社員にとっては「一方的に押しつけられた目標」と受け取られ、共感や納得を得にくくなります。
ブランドは、社員一人ひとりの言動や日々の業務に現れてこそ、本当の力を発揮します。つまり、現場の理解と共感がなければ、どれだけ立派なビジョンを掲げても「絵に描いた餅」になりかねません。
ビジョンの方向性や最終目的地は経営陣が示すべきですが、そこに至るまでのプロセスや具体的な実行手段には、現場の声を積極的に取り入れましょう。
ブランディングにおいて、最も避けたいのは「経営理念に基づかない意思決定」です。
一時的な売上や効率を優先して「利益が出そうだから」「手間がかからないから」と安易に方向を決めてしまうと、ブランドの軸がぶれてしまい、結果的に信頼を失うことにもつながります。
経営理念は、企業の存在意義や大切にしている価値観を示すものであり、意思決定のものさしです。このものさしが共有されていなければ、社員ごとに対応がバラバラになり、顧客にも一貫性のない印象を与えてしまいます。
理念を基点とした判断と行動を積み重ねることで、社内の軸が定まり、外部にも信頼感のあるブランドイメージが伝わるでしょう。
ここでは、ブランディングを進めるうえで事前に理解しておきたい、2つの注意点を紹介します。
ブランディングは、短期的に成果を追求するものではなく、中長期的な視点で企業価値を高めていくための取り組みです。そのため、ロゴやキャッチコピーを変えたからといって、すぐに売上が伸びるわけではありません。
短期的な数値の変化だけに一喜一憂するのではなく「企業の信頼を積み重ねていくプロセス」としてブランディングに向き合うことが大切です。
ブランディングの成功には、専門的な知識と経験が欠かせません。社内だけで対応が難しい場合や、客観的な視点を取り入れたい場合は、ブランディング会社に依頼することを検討しましょう。
プロの視点で戦略を立案し、企業の本質的な価値やメッセージを明確化することで、より効果的で一貫したブランド構築が可能になります。
ブランディングの成否は「誰と進めるか」によって大きく左右します。ここでは、信頼できるパートナーを見極めるための4つのポイントを紹介します
まずは、ブランディング会社の実績を確認しましょう。豊富な成功事例がある会社は、多様な業界や課題に対応してきた経験があるため、安心して依頼できます。
とくに、自社の業種や規模に近い企業での実績があるかをチェックすることが大切です。自社のニーズに合った分野での実績が豊富な会社を選ぶことで、より効果的なブランディングが期待できます。
ホームページのポートフォリオや成功事例をしっかりチェックし、依頼内容に適した専門性を持つ会社かどうかを見極めましょう。
ブランディング会社を選ぶ際は、自社の規模に適した会社を選ぶことが成功のポイントです。
大手企業向けの会社は、IR対応やグローバル展開といった高度なニーズに応えられますが、費用が高額になりがちです。一方、中小企業に特化した会社は、限られた予算の中で現実的な課題解決策を提案してもらえます。
自社の規模や予算、目的に合った会社を選ぶことで、無理なく効果的なブランディングを進められます。依頼前には、サービス内容や実績をしっかりと確認することが大切です。
ブランディング会社ごとに、得意分野や提供できるサービスは大きく異なります。たとえば、広告制作や販促活動だけを専門とするところもあれば、製品企画や組織体制の構築まで幅広くサポートできる会社もあります。
一部のブランディング事業に特化した複数の会社に依頼すると、コストがかさむだけでなく、ブランドの統一感が損なわれかねません。そのため、戦略の立案から実行までワンストップで任せられる会社を選ぶことが大切です。
どれだけ優れた実績を持つブランディング会社でも、実際にプロジェクトを進めるのは担当者です。そのため、依頼前の時点で「信頼できるか」「話しやすいか」「自社の状況をきちんと理解しようとしているか」といった点を見極めることが大切です。
企業ブランディングは、ロゴや広告といった表面的な施策だけではなく、自社の「らしさ」を明確にし、社内外に一貫して伝えていく戦略的な取り組みです。「企業としてどのような価値を持ち、誰にどのような想いを届けたいのか」という軸が定まることで、価格や条件だけで選ばれる存在から「共感され、選ばれる企業」へと変えられます。
株式会社プレイス&アビリティでは、採用活動を通して企業の魅力を正しく伝え、ブランド価値を高めるサポートを提供しています。自社の想いを言語化し、社内外に伝えていくブランディングに興味がある方は、お気軽にご相談ください。
※KitKatはソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アーの登録商標です。
※STARBUCKSはスタ-バツクス コ-ポレイシヨンの登録商標です。
※Apple および Apple ロゴは、米国その他の国で登録された Apple Inc. の商標です。
※GODIVAはゴディバ・ベルジウム・ビー・ヴイ/エス・アール・エルの登録商標です。
※トヨタはトヨタ自動車株式会社の登録商標です。
※モンベルは株式会社モンベルの登録商標です。