ブログ

P&A TIPS

新卒採用にかかるコストはいくら?1人当たりの平均と内訳を紹介

新卒採用には平均で56.8万円のコストがかかります。現在は「売り手市場」と呼ばれる状況が続いており、企業側が人材を確保するのが難しくなっています。本記事では、新卒採用にかかるコストの平均や高騰する原因、削減に向けた施策を解説します。

新卒採用は企業にとって将来を担う人材を確保する重要な取り組みですが、採用活動には多くのコストがかかります。たとえば、求人広告の掲載、説明会の開催、選考や内定後のフォロー対応など、採用の各ステップでさまざまなコストが発生します。

 

そのため、どのプロセスにどれくらい費用がかかっているのかを正確に把握しておくことが、効率的な採用活動を進めるうえで重要です。

 

本記事では、新卒採用コストの平均や主な内訳について解説します。また、新卒採用コストが高くなる要因やコストを削減する方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

新卒採用コストの平均

採用コストとは、入社予定者1人当たりにかかった費用のことを指し「採用費の総額÷採用人数=1人あたりの採用単価」で算出できます。

 

2024年の新卒採用1人あたりにかかる平均コストは56.8万円でした。企業規模によってもコストには差があり、上場企業では1人あたり49.0万円、非上場企業では57.5万円と、非上場企業のほうが高くなる傾向が見られます。

 

出典:株式会社マイナビ「2024年卒 企業新卒内定状況調査」(https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2023/11/s-kigyonaitei-24-003.pdf

 

こうしたコストを適正に抑えながら効果的な採用活動を実現するには、ターゲットとなる学生層の志向や市場環境を的確にとらえ、アプローチ方法を工夫することが大切です。とくに近年は、応募者数の減少や競争の激化により、1人あたりの採用単価が高止まりする傾向にあります。

 

まずは現状の平均コストを正しく把握し、自社に必要な施策を精査する姿勢が、効率的で質の高い採用活動を実現する第一歩となるでしょう。

新卒採用コストの内訳

新卒採用にかかるコストは「外部コスト」と「内部コスト」に分類されます。ここでは、それぞれの内訳を解説します。

外部コスト

外部コストとは、採用活動を外部サービスに依頼する際に発生する費用です。求人広告費、就職イベント出展料、採用代行サービスの利用料、採用管理システムの導入費用、エージェント利用料などが含まれます。

 

これらは、ターゲット層へのリーチ拡大や採用業務の効率化を図るうえで欠かせない要素ですが、一方でコントロールが難しい点が課題となりやすいため、注意が必要です。とくに広告掲載費やイベント出展料は、プランによって金額に大きな差が生じやすく、想定以上にコストが膨らむケースも少なくありません。

 

また、具体的なプランや運用方針を定めずに外部サービスを活用すると、期待した効果が得られず、費用対効果が低下するリスクも考えられます。新卒採用にかかるコストの中でも大きな割合を占める要素であるため、将来目標やターゲット像、必要な人材像を明確に設定し、各サービスの選定と運用方針を綿密に設計することが大切です。

 

継続的な効果検証を行いながら、無駄な支出を防ぎ、成果に直結する施策へとブラッシュアップしていく姿勢が求められます。

内部コスト

内部コストとは、採用活動を自社内で実施する際に発生する費用です。おもに人件費や社内インフラの整備費、社内イベント運営費、内定者フォローにかかるコストなどが該当します。

 

そのなかでも、採用担当者や面接官を務める従業員にかかる業務負荷は、見過ごされがちなコストのひとつです。スケジュール調整や面接対応、事務作業といった業務が積み重なると、対応に必要な時間が増え、その分だけ人件費という形で内部コストが膨らみます。現場への負担だけでなく、目に見えない費用負担が増大する点にも注意が必要です。

 

内部コストは外部コストに比べて直接的な支出が目立ちにくく、適正な管理を怠ると、採用活動全体のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性もあるため、業務の明確な整理が求められます。優先順位をつけたうえで、社内リソースを効率的に活用し、質の高い採用活動につなげましょう。

こちらの記事では、新卒採用について解説しています。

新卒採用の流れや効率化する方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

https://x.gd/9XGr5

新卒採用コストが高くなる要因

新卒採用にかかるコストは年々上昇傾向にあり、多くの企業が頭を悩ませています。単なる施策の増加だけでなく、採用市場の変化や学生側の志向の多様化といった外的要因も、コストが上がる原因のひとつです。

 

ここでは、新卒採用コストが高くなる要因を3つ解説します。

応募者の減少

近年、労働人口の減少や学生の企業選択基準の多様化により、従来と比べて応募者数を確保しにくくなっています。こうした応募者数の減少は、新卒採用におけるコスト増大の大きな要因です。

 

こうした状況に対応するためには、応募者を確保するための施策や広報活動を追加しなければなりません。しかし、施策を増やした分、広告費やイベント出展料、採用代行サービス費用などの外部コストが膨らみます。その結果、想定していた採用予算を超過してしまうケースも少なくありません。

 

無計画に施策を拡大するのではなく、ターゲティング精度を高めたうえで、費用対効果を意識した採用活動を設計することが、コストを抑えながら優秀な人材を確保するポイントとなるでしょう。

内定辞退者の増加

内定辞退者の増加は、新卒採用におけるコスト増大につながる要因のひとつです。近年は売り手市場が続き、学生が複数の内定を保有する傾向が高く、内定を出しただけでは入社に結びつかない可能性があります。

 

内定辞退が発生すると、追加の選考活動や補充に向けた求人広告の再出稿などの施策を講じなければなりません。その結果、採用コストが余計にかかるほか、当初の採用計画から変更になることで、現場への負担や育成計画にも支障が出ます。

 

内定辞退を防ぐには、内定後のフォロー施策を充実させ、学生との継続的な関係構築が不可欠です。内定者の不安を解消し、企業へのエンゲージメントを高める工夫により、安定した採用活動の実現と、コスト負担の軽減が期待できるでしょう。

入社後のミスマッチ

新卒採用にかかるコストが増大する要因として、入社後のミスマッチも挙げられます。企業側と学生側の認識にずれがあると、早期離職につながりかねません。結果として、採用活動にかけたコストや育成に投資したリソースが無駄になります。

 

ミスマッチが起こる原因のひとつが、仕事内容やキャリアパスに対する認識の違い、企業文化との不一致などです。こうした課題を回避するには、採用活動の段階から自社の魅力や期待する役割を正確に伝える必要があります。

 

情報発信や、インターンシップ、座談会などを活用して相互理解を深める取り組みが、入社後のミスマッチ防止と採用コストの最適化につながるでしょう。

株式会社プレイス&アビリティでは、採用に関するブランディングの資料を提供しています。

社員の定着率や採用応募数の増加を狙っている方におすすめの内容です。

お困りの際にはぜひお問い合わせください。

(https://www.place-ability.jp/document_request.php?id=210)

採用コストを削減する方法

採用コストを削減するには、適切な対策を講じることが大切です。ここでは、具体的な方法を8つ解説します。

母集団形成を図る

母集団形成とは、自社の採用ターゲットに合致する学生を一定数集める取り組みです。応募者の母数が不足すると、選考の選択肢が狭くなり、追加施策や再募集をしなければなりません。その結果、採用コストが当初の計画よりも増大する可能性があります。

 

採用コストを抑えるには、十分な応募者を早い段階で確保し、適切な候補者を見極めることが大切です。ただし、ターゲットを絞らずに採用を進めると、自社に合わない人材が集まる可能性があります。

 

採用活動では、自社のニーズを踏まえたターゲット層に対して効果のある手段を選択することが大切です。計画的に母集団形成を進めて、採用活動の効率化とコスト削減を実現しましょう。

掲載中の求人広告を見直す

採用コストを抑えるためには、掲載中の求人広告の見直しが効果的です。掲載内容がターゲット層に響いていなかったり、魅力が十分に伝わっていなかったりすると、応募数が伸びず、追加施策に余計なコストが発生しかねません。採用競争が激化するなかでは、求人広告そのものの質が応募数や応募者の質を左右する要素となります。

 

求人広告は単なる情報掲示ではなく、求める人材像に合わせて訴求内容を最適化することが大切です。たとえば、仕事内容やキャリアパス、職場環境など、ターゲット層が知りたい情報を的確に盛り込み、企業の魅力を具体的に伝える工夫が求められます。

 

定期的な掲載内容の見直しや効果測定により、効率的な採用活動へつながるでしょう。

選考フローを見直す

採用コストを抑えるためには、選考フローの見直しも欠かせません。選考に時間がかかりすぎると、辞退者が増えたり、競合他社に先を越されたりするリスクが高まり、コストも増大します。スムーズな選考プロセスの設計により、採用成功率を高めながら、無駄なコストの発生を防ぐ効果も期待できるでしょう。

 

たとえば、エントリーから内定までのステップを簡素化し、面接回数を適正に設定する手段が挙げられます。また、Web面接の導入や適性検査の活用など、効率化につながるツールの導入も効果的です。

 

選考フロー全体を可視化し、ボトルネックを特定して改善していくことが、採用活動の質とスピードを同時に高め、結果としてコスト削減につながるでしょう。

採用手法を見直す

選考や採用にかかる工程だけでなく、採用手法そのものの見直しも採用コスト削減につながります。従来の手法に固執してしまうと、ターゲット層に対して効果的にアプローチできない可能性も否めません。市場環境や学生の志向が変化するなかでは、採用手法の柔軟な見直しが大切です。

 

具体的には、従来型のナビサイト中心の募集だけでなく、スカウトサービスやダイレクトリクルーティング、SNSを活用した情報発信など、多様な媒体を組み合わせる手段が挙げられます。また、インターンシップやリファラル採用(社員紹介制度)の活用も効果的な手法のひとつです。

 

費用対効果を意識した絞り込みにより、成果につながる採用活動を推進できます。

ミスマッチを減らす

採用コストの削減には、入社後のミスマッチを減らす取り組みも欠かせません。ミスマッチは早期離職の要因となり、再採用や再教育に追加コストが発生するリスクが高まります。採用活動にかけたコストや育成リソースが無駄にならないよう、事前にミスマッチを防ぐ工夫が大切です。

 

求人情報を出す際は、仕事内容やキャリアパス、求める人物像を具体的に提示し、学生との認識のずれを最小限に抑えましょう。また、インターンシップや座談会を活用し、実際の業務内容や職場の雰囲気を伝える機会の創出も、相互理解を促進させるポイントです。

 

採用活動の初期段階から具体的な情報を伝え、企業と学生の認識をすり合わせることで、入社後のミスマッチが減り、結果的に採用コストの削減や定着率の向上につながるでしょう。

自社サイトの運用を強化する

採用コスト削減に向けて、自社採用サイトの運用強化も検討しましょう。ナビサイトや求人広告のみに頼っていると、掲載費用がかさみ、長期的にはコスト増加のリスクをともないます。自社サイトの活用により、広告費を抑えながら、企業独自の魅力や情報を発信できるため、効果的な採用活動につなげることが可能です。

 

仕事内容や職場環境、社員インタビュー、キャリアパス紹介などを充実させ、ターゲット層に向けた具体的な情報を提供すると、ニーズに合った応募者が集まりやすくなります。また、エントリーフォームの設置や応募導線の最適化を図ると、応募率を高める効果も期待できるでしょう。

助成金を利用する

採用コストを抑える方法として、国や自治体が提供する助成金の活用も効果的です。採用活動にはさまざまな費用がかかりますが、一定の条件を満たせば助成金を受け取れる場合があります。

 

たとえば「トライアル雇用助成金」や「特定求職者雇用開発助成金」などは、採用活動や人材育成にかかるコストを支援する制度として活用可能です。対象となる条件や支給額は制度ごとに異なるため、事前に詳細を確認し、自社の状況に合った制度を選定しましょう。

 

助成金の効果的な活用により、採用活動にかかる負担を抑えながら、より安定的かつ計画的に人材を確保しやすくなります。

アウトソーシングを活用する

採用コストを抑えるには、採用活動の一部をアウトソーシングする手段もおすすめです。採用業務をすべて自社内で抱え込むと、担当者の負担が増大するだけでなく、時間や人件費などの内部コストが膨らみ、結果的に全体コストを押し上げる要因になりかねません。

 

求人広告の運用代行、応募者対応、初期スクリーニングなどを外部委託できれば、社内リソースの負担軽減や採用活動の効率化につながります。

 

ただし、業務を委託する際は、新卒採用に対する専門的な知見を持つ外部パートナーを活用することが大切です。適切な選定により、精度の高い母集団形成や選考フローの最適化も期待できます。

 

外部コストが気になる場合は、必要な業務だけを見極めてアウトソーシングすると、無駄なコストをかけずに戦略的かつ負担の少ない採用活動が可能です。

まとめ

新卒採用にかかるコストは、内部コストと外部コストの両方が発生します。採用活動や選考にともなう人件費、広告掲載費、採用ツールの導入費など、さまざまな工程にコストがかかるため、全体像を把握したうえで最適化を図ることが大切です。

 

応募者の減少や内定辞退、入社後のミスマッチなどによっても採用コストは増加するため、計画的な採用戦略と柔軟な施策の見直しを検討しましょう。

 

株式会社プレイス&アビリティは、1,000社を超える新卒採用のサポート実績を持ち、採用活動の企画から実行支援まで、一貫して伴走する会社です。企業方針や規模にあったオリジナルの採用活動を提案しており、ミスマッチのない採用につなげられます。

 

豊富なノウハウを持った専任の担当者が、採用戦略の立案から実行まで、親身に寄り添いながら支援いたします。新卒採用にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

株式会社プレイス&アビリティでは、新卒採用の支援を行っています。

SNS・求人広告・アウトソーシングなどを利用して企業の採用活動をサポートします。

採用活動に関してお困りの際には、ぜひお問い合わせください。

https://www.place-ability.jp/service/recruitment/new-graduate/

 

Source of place and ability

ご相談のみもお受け致します。
ぜひ一度、気軽にお問い合わせください。

ご相談はこちら