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2025.05.19法人向け
新卒採用とは、在学中の学生の選考を行って新卒者をいちから育成する採用活動です。ほかに中途採用という言葉がありますが、新卒採用とはターゲットや内定から入社までの期間などに違いがあります。
本記事では、新卒採用の目的や現状をはじめ、中途採用との違いを解説します。そのほか、新卒採用の流れや効率化すべき理由もお伝えするため、新卒採用を見直したい方や採用業務のミスを軽減したい方はぜひ参考にしてください。
新卒採用とは、学生の選考を行って来年度の新卒者を一括で採用する活動です。社会人としての経験がない学生のなかから入社する方を選ぶため、面接だけではなく、インターンシップや会社説明会、適性検査など複数の工程で決定するのが一般的です。
新卒採用の場合、内定から入社まで期間が空いてしまうため、入社までに会社側がフォローする必要があります。以下では、新卒採用の目的や現状、中途採用との違いを解説します。
新卒採用の目的は主に4つあり、1つ目は会社全体の人材のバランスを最適化することです。毎年新卒採用を行って採用すると、会社を支える人材を安定的に確保できます。会社の将来を担う人材の育成ができるため、会社維持に大きく関わるといえます。
2つ目の目的は、会社の文化を継承することです。社会人経験が一切ない新卒者だからこそ、企業文化を吸収してもらいやすい点が魅力です。人材育成のなかで次々と会社の文化を引き継いでもらえれば、会社の存在感もアップします。
3つ目の目的は、会社の将来を担うリーダーや経営幹部候補となる人材を確保することです。いちから育成する必要はあるものの、長期的な視点で見るとリーダーや経営幹部候補に育成しやすい傾向にあります。
4つ目の目的は、会社の事業拡大や活性化です。新卒者ならではの発想力がきっかけで事業がさらに展開したり、バイタリティが周囲を活性化させてこれまで以上に社員の意欲が向上したりする可能性があります。
新卒採用の求人倍率は、2026年卒が1.66倍、2025年卒が1.75倍と0.09ポイント低下しています。しかし、2021年卒の求人倍率は6月時点で1.53倍まで低下していたため、近年は多少上下したものの右肩上がりです。
2026年卒の新卒採用の現状を見ると、300人未満の企業は前年より2.48ポイント上昇、300人~999人の企業と1,000人~4,999人の企業はともに低下、5,000人以上の企業は横ばいとなっています。
新卒採用を実施する中小企業は前年より増えており、中堅企業の求人倍率は低下、大企業の求人倍率は変わらないのが現状です。業種別に見ると、流通業の求人倍率が8.77倍ともっとも高く、ついで建設業の求人倍率が8.55倍です。
一方で、ほかの業種の求人倍率は、金融業が0.21倍、情報通信業が0.28倍、サービス業が0.41倍と低い傾向にあります。全体的に見た場合と業種別の求人倍率は異なります。
出典:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」
(https://www.works-i.com/surveys/item/250424_recruitment_saiyo_ratio.pdf)
出典:リクルートワークス研究所「第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)」
中途採用とは、すでに高校や大学を卒業して社会人としての経験を持っている方を採用する活動です。他社から転職したい方や過去に社会人経験のある方のなかで選考を行うのに対し、新卒採用は在学中の学生のなかから人材を採用します。
新卒採用と中途採用は、目的に大きな違いがあります。新卒採用は若手を採用して将来を担う人材に育成するのが目的に対し、中途採用はすでに培っている社会人経験が活かせる人材を確保するのが目的です。
採用時に会社が期待するのは、新卒採用の場合だと長期的な育成により会社のリーダーとなる人材の発掘です。一方で中途採用は、短期間で業務をやりこなし、すぐに成果を出す人材を確保するために行います。
また、新卒採用は内定から入社まで半年以上の期間があり、入社日は来年度の4月と決まっています。中途採用は選考期間が短く、入社時期を柔軟に決められるケースが多いです。
業務への意欲やポテンシャルが重視される新卒採用に対し、中途採用は今までのキャリアやスキルが重視される傾向にあります。どちらも人材を確保する採用活動ですが、評価されるポイントにも大きな違いがあり、異なる採用手法として明確に区別されます。
新卒採用を見直したい場合や採用活動でのミスを減らしたい場合は、新卒採用の流れを事前に確認しておくのがポイントです。流れを把握していれば、次に行うべきことが明確になるためスムーズに進められます。ここでは、新卒採用の流れを解説します。
新卒採用をはじめる前に、採用戦略の策定を行いましょう。採用戦略とは、会社が新入社員を募集するにあたって、採用活動を行う理由や目的、欲しい人材を確保するために何をすべきか明確化することです。
具体的には、新卒採用を行う体制、目的、募集から採用後の中長期的な計画、採用人数、配属先、研修などを決めます。事業戦略と照らし合わせながら採用戦略を練ると、どのようなイメージ像の人材が欲しいかが明確になりやすいです。
採用戦略を策定したら採用計画を策定しましょう。採用計画とは、採用や配置の見直しを含む計画です。事業計画や経営方針をもとに、採用計画を策定するのがポイントです。
具体的には、今回の新卒採用で求めているスキルや属性などの要件、評価項目、選考・採用方法、採用コスト、スケジュール、採用後・入社後のフォローアップ方法などを決めます。採用計画の策定では、採用市場の動向もリサーチします。
採用計画が明確になったら、社内で共有すると関係者同士での認識のズレを回避できます。新卒採用を行うためのイベント開催や会場の確保など、社内の協力を得られやすいです。
採用計画の策定が完了したら、実際に新卒採用の募集を行います。新卒採用では、自社に興味を持っている学生を集めて選考を行うケースがほとんどです。募集方法は、インターンシップ情報サイト、合同企業説明会、就職ナビサイトなどたくさんあります。
そのほか、新卒採用ホームページや採用専用SNSを自社独自で立ち上げたり、就活スカウトサイトで会社側からオファーメールを送ったりする方法などさまざまです。
新卒採用は、他社と選考のタイミングが重なる可能性があるため、スケジュールを社内でしっかり検討する必要があります。自社の都合のみでスケジュールを決めず、採用期間が長期に渡って行われるのを考慮しながら計画しましょう。
新卒採用の募集に入社候補者が集まったら、選考を実施します。新卒採用の選考は、中途採用とは異なり、長期的な育成を経て将来の可能性を見出せるか、高いポテンシャルを持っているか、などのポイントを評価します。
会社に必要な人材の要件を具体的にすれば、多数の応募があっても十分な見極めが可能です。選考といっても、エントリーシートや適性検査、面談などさまざまな工程があります。
選考にあたり、自社から面接官を選んだり、面接で何を質問するか決めたりする必要があります。面接官は、各選考の流れや評価基準を把握しておかなければいけないため、新卒採用を行う前に打ち合わせを徹底しなければいけません。
また、選考は会社が学生を選ぶためのものではありません。学生のほとんどは複数社の選考を受けており、他社と比較しながら面談を受けているのを念頭に置いておく必要があります。
選考で内定者が決まったら、入社までフォローするのが重要です。新卒採用は内定から入社までの期間が長く、なかには大学3年生のうちに最終選考まで進めるケースもあります。
学生によっては、内定をもらっていても他社の選考を受けながら最終的に自分が入社したい会社を決める方もいます。自社で内定となっても入社が確定したわけではありません。
内定が取り消しにならない限り、入社までの期間は学生がモチベーションを高められるようにフォローするのがポイントです。学業の妨げになる研修や負担の大きい課題は避けるのが無難です。
新卒者は内定の状態で入社日を迎えれば、正式に新入社員として入社となります。入社式は4月1日に行う企業がほとんどです。入社式は必ず実施しなければいけないものではありませんが、会社の社員として一体感を感じてもらうために開催するケースが多く見られます。
入社式に限らず、就業規則やビジネスマナーが学べる研修、懇親会などを開催するところもあります。さまざまな機器を取り扱う会社なら、ビジネス用の機器の使い方も研修で教える必要があるでしょう。
新入社員が入社したあとは、新卒採用に関わった担当者がしっかりフォローするのが大切です。入社後からまったく関わらない状況にすると、新入社員のモチベーションに大きく影響してしまうおそれがあります。
2024年度に厚生労働省から発表された「新規学卒者の離職状況」によると、就職してから3年以内の離職率は、中卒が50.5%、高卒が38.4%、短大卒などが44.6%、大卒が34.9%です。中卒は半数以上、高卒・短大卒・大卒などは3割以上が就職3年以内に離職しています。
入社後のフォローは、入社後3年目まで徹底するのがポイントです。たとえば、悩みごとをヒアリングしたり、段階に応じた研修を実施したりするなどがあります。定期的に同期社員と交流できる機会を設ければ、現状を報告し合って互いに意欲が高まりやすいです。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」(https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001318959.pdf)
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新卒採用を実施する際、採用業務を効率化するのがおすすめです。とくに、採用業務で課題を抱えていたり新卒採用を見直したりするときは、効率化によりさまざまな効果が得られる可能性があります。ここでは、新卒採用を効率化すべき理由を4つご紹介します。
新卒採用を効率化すると、採用スピードの向上につながる可能性が高いです。新卒採用は、政府が公表する日程にしたがって進めなければいけません。限られた期間内で選考から内定まで確定しなければいけないため、スピード感が求められます。
政府が公表している2026年度の日程によると、広報活動は2026年3月1日以降、採用選考活動は2026年6月1日以降、正式な内定日は2026年10月1日以降です。他社の新卒採用ともタイミングが重なる可能性が高いため、とくに採用スピードを高める必要があります。
採用スピードが向上すれば、自社にとって必要な人材を見極めて早めに内定を確定できます。学生にも少しでも早くよい返事ができるため、学生のモチベーション向上にもつながりやすいです。
出典:内閣官房「2026 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou/pdf/r061205_siryou.pdf)
新卒採用を効率化すると、採用の質の向上が期待できます。採用業務では1人あたり複数回の面談を経て内定につなげるのが一般的な工程ですが、面接官にとっては大きな負担がかかってしまいます。
採用業務の負担が増加すれば、優秀な人材を見つけるなかで質も低下しやすいです。採用の質を高めたいなら、定型的な業務の自動化がおすすめです。業務の負担が少しでも軽減されれば、新卒採用に集中でき、さらに見極める力が高まるでしょう。
また、新卒採用の質の向上は会社だけではなく、学生にとってもメリットとなります。新卒採用の流れの透明性が高く、迅速な対応を受けられます。会社の信頼感が高まれば、他社と比較されたときにアピールポイントとなるでしょう。
新卒採用の効率化により、採用業務の負担を軽減できます。新卒採用の担当者は、面接を行うだけではなく、採用戦略の策定からスケジュール調整、内定後のフォローまで幅広い業務をこなさなければいけません。
幅広い業務のなか、一部の工程を自動化したり、無駄な工程を省いたりするだけで心身ともに負担が軽減されます。データ入力や連絡対応などの定型業務を自動化すると、長時間労働や時間外労働の発生を回避できる可能性があります。
また、新卒採用では優秀な人材を見つけるために、担当者がパフォーマンスを最大限に発揮するのがポイントです。選考を実施する前にさまざまな工程がありますが、選考で生産性に影響が出ないように、新卒採用を効率化しましょう。
新卒採用には人的コストや時間コストがかかりますが、採用業務を効率化するとコスト削減につながります。効率化により担当者の時間外労働を削減できれば、その分人的コストをカットできます。
削減したコストは、採用業務の見直しに再投資するとより質の高い新卒採用を実施できるでしょう。より優秀な人材を見つけるためには、まずは新卒採用を効率化して削減できたコストでよりよい計画を策定するのが重要です。
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新卒採用を効率化すべき理由を把握したうえで、実際にどのように効率化すればよいか知りたいのではないでしょうか。ここでは、新卒採用を効率化するポイントを7つご紹介します。
新卒採用ではさまざまな採用業務をこなさなければいけませんが、効率化するにはまず採用プロセスを見直す必要があります。無駄な作業を見つけて省くだけで、採用プロセスが簡素化されて担当者の負担の軽減が可能です。
どの業務が無駄であるか判断できないときは、工程を排除しても問題ないか考えてみましょう。似たような業務を結合したり、別の方法と交換して効率化したりするのもポイントです。
採用業務の見直しが完了したら、業務に優先順位をつけると最適な採用プロセスが明確になります。先に何をすべきか明確化できるため、手持ち無沙汰で無駄な時間コストが発生するのを避けられます。
自社に合った採用手法を見つけるために、採用マーケティングを見直すのがポイントです。採用マーケティングとは、マーケティングや手法を採用活動に取り入れて、新卒採用なら学生に自社のファンになってもらう取り組みを指します。
たとえば、新卒採用のターゲット層である学生向けに自社の認知度を促進する、会社が求める人材のニーズから待遇や職場環境を見直すなどがあります。求人広告と合わせて採用マーケティングにも力を入れると、応募者の増加が期待できるでしょう。
また、自社が求める人材のニーズを分析すると、どのような情報やメッセージが響きやすいかわかるようになります。分析結果をもとに、会社側から学生にアプローチしやすくなり、優秀な人材をいち早く見つけられるのにつながります。
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採用プロセスを見直したあとは、業務に優先順位をつけると、優先的に行うべき業務がひと目で確認できます。どの業務から取り掛かるべきか迷ったときは、各業務の緊急性や重要性を順番に評価していくとわかりやすいです。
一方で、緊急性がない業務も分類してみると、さらに細かく優先順位がつけられます。優先度が高い業務のなかでも時間の猶予があるか、付加価値があるかなどのポイントに着目しましょう。
優先順位をつけていくなかで不要な業務は、省くのがポイントです。今までの新卒採用で毎回行われてきた業務でも、会社の文化で定着していただけで、削除しても問題ないケースがあります。
新卒採用で求める人材像をもとに、評価基準を統一すると効率化につながります。複数の面接官で評価していたり、多数の応募者の面接を担当したりするうえで、曖昧な評価基準にならないのが応募者にとっても重要です。
評価基準を統一していれば、情報共有や採用の判断に無駄な時間がかからずに済みます。また、個々の主観が入りにくい環境を整えれば、採用ミスが起こる可能性も低くなります。スキルや経験を評価項目にするときは、数値化するのがおすすめです。
面接をオンライン化すると、応募者と面接官ともに会場に移動する手間を省けるため、新卒採用の効率化につながります。会場を手配する必要がなくなり、コスト削減や柔軟な日程の調整を実現できます。
面接のオンライン化は、コロナ禍をきっかけに導入した企業が多いです。遠方に住んでいる学生も応募しやすくなるため、より多くの応募者を集めて優秀な人材を確保できる可能性が高まります。
新卒採用に採用管理システムを導入すると、定型業務の効率化が期待できます。たとえば、履歴書やエントリーシートを紙媒体で確認すると時間がかかりますが、採用管理システムにより書類の選別の自動化が可能です。
書類を1枚ずつ確認する時間を省ければ、別の業務に注力できたり、人的ミスを回避できたりします。担当者の時間外労働が削減されれば、人的コストを省けて、パフォーマンスの維持にもつながります。
また、日程調整も採用管理システムでスムーズに行えます。日程が変更された場合、応募者一人ひとりに報告するのは大変ですが、採用管理システムを活用すれば一括で調整でき無駄な業務を減らせます。
採用代行サービスを利用すると、自社が行う採用業務の負担が大幅に軽減され、会社のコアな業務に注力しやすいです。新卒採用を行いたいものの、時間を確保できずに満足できる採用活動ができるか不安、人的リソースが不足していて面接の実施が難しい場合に最適です。
採用代行サービスは、採用管理業務を専門会社に一任できます。すべての業務を任せるのはもちろん、自社での担当が難しい一部のみ委任する方法もあります。採用活動に関して経験や知識を持っている専門チームに任せられるため、採用の質も確保されるでしょう。
ただし、採用代行サービスを利用するには費用がかかります。採用業務を任せられる分、コアな業務に専念できるため、費用対効果を考えるとコスト削減につながるケースもあります。
新卒採用は、学生をターゲットにいちから育成して将来を担う人材を見つける採用活動です。将来のリーダーや経営幹部候補者への育成を目的に行っている企業が多く、長期的な育成を見据えて優秀な人材を探す必要があります。