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採用難を乗り越える9つの対策!人手不足の原因から離職を防ぐ組織づくりまで

採用難の原因は少子高齢化、働き方の多様化、スキルミスマッチの3つです。とくに、中途採用では即戦力を求めるため、競争が激化しています。選考スピード改善や待遇見直し、SNS採用など、経験者採用を強化する9つの対策を解説します。

 

求人を出しても応募が集まらず、内定を出しても辞退される――。

 

こうした採用難に悩む企業は少なくありません。とくに、中途採用においては、即戦力を求めるため競争が激化しており、優秀な人材は複数社から内定を得て、選ばれる側に立っています。

本記事では、採用難の現状と原因を整理し、中途採用の強化に役立つ9つの対策を紹介します。経営層への提案材料としても活用できる内容のため、ぜひ参考にしてください。

採用難の現状と主な原因


採用難とは、企業が必要な人材を計画通りに確保できない状態を指します。独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「雇用人員判断D.I.」によると、多くの企業で雇用人員が不足していることがわかります。 

 

採用難の結果、企業の規模を問わず人手不足に陥っているのが現状です。なぜ多くの企業で採用難に見舞われているのか、主な3つの原因を見ていきましょう。 

 

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「雇用人員判断D.I.」 (https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/shuyo/0212.html 

少子高齢化による労働人口の減少

採用難の根本的な原因のひとつが、少子高齢化による労働人口の減少です。日本の生産年齢人口(1564歳)は1995年の約8,700万人をピークに減少を続けており、2024年には約7,400万人にまで減少しています。 

 

厚生労働省の推計によれば、2040年には生産年齢人口が総人口の約55%にまで減少すると見込まれています。働き手の絶対数が減ると、企業間で限られた人材を奪い合う構造になるのは避けられません。 

 

この人口動態の変化は、単に応募者の減少を招くだけでなく、学生一人あたりの内定保有数を押し上げる要因にもなっています。いわゆる売り手市場が常態化しており、企業は激しい獲得競争にさらされているのが現状です。 

 

出典:総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)101日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口」(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2024np/index.html 

出典:総務省統計局「統計Today No.21」(https://www.stat.go.jp/info/today/021.htm 

出典:厚生労働省「第1章 平成の30年間と、2040年にかけての社会の変容」(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/19/dl/1-01.pdf 

仕事や働き方に対する価値観の多様化

働き方改革の推進やコロナ禍を経て、求職者の仕事に対する価値観は大きく変化しました。現在では「成長の機会」「ワークライフバランス」「やりがい」など、さまざまな要素が企業選びの基準となっています。 

 

とくに、中途採用の対象となる転職希望者は、前職での経験を踏まえて企業を厳しく見極めます。「今の会社より成長できるか」「スキルを活かせるか」といった点を重視し、魅力的なキャリアパスを提示できない企業は、選考の初期段階で選択肢から外されてしまいがちです。 

 

リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を提供できる企業に応募が集中する傾向も見られます。即戦力となる経験者ほど、複数の企業から声がかかるため、従来どおりの勤務形態にこだわる企業は選ばれにくくなっています。 

人材のミスマッチの増加

企業が求めるスキルと求職者が持つスキルの間にギャップが生じるケースが増えています。これが「構造的失業」と呼ばれる現象です。 

 

企業側は、デジタル化やグローバル化が進むなかで、高度な専門スキルや複数のスキルを併せ持つ人材を求めるようになりました。とくに、中途採用では即戦力が期待されるため「実務経験3年以上」「マネジメント経験必須」といった要件が設定されがちです。 

 

一方で、それに見合う賃金体系を用意できない企業も多く、転職希望者のニーズとのズレが生じています。 

 

また、採用の段階で企業と転職希望者の間に認識のズレがあると、入社後に「思っていた仕事と違う」といったミスマッチが起こり、早期離職につながります。人材のミスマッチを防ぐためには、求める人物像を明確にし、選考の段階で丁寧にすり合わせを行うことが重要です。 

採用難で悩む企業に共通する特徴


採用難に陥る原因には、社会全体の構造的な要因だけでなく、企業側の内部要因も関係しています。とくに、中途採用がうまくいかない企業には、いくつかの共通する特徴があります。 

 

知名度の低さ 

大手企業と比べて認知度が低い中小企業では、転職サイトで目に留まりにくく、応募数が少なくなりがちです。 

 

求める人物像の言語化不足 

「コミュニケーション能力が高い人」といった曖昧な表現では、求職者に伝わりません。中途採用では即戦力が求められるため「営業経験3年以上、BtoB商材の提案経験必須」といった具体的な要件定義が不可欠です。 

 

選考スピードの遅さ 

中途採用では、転職希望者が複数の企業の選考を同時に進めていることがほとんどです。先に内定を出した企業が有利になるため、スピード感が採用成功の鍵を握ります。 

 

待遇や条件の競争力不足 

とくに、転職市場では、現職よりも条件が良くなければ転職する動機が生まれません。待遇面の改善が難しい場合でも、働きがいや成長機会など、ほかの魅力を具体的に伝える工夫が必要です。

採用難がもたらす企業への悪影響


採用難を放置すると、企業にとって深刻なリスクをもたらす可能性があります。採用難が及ぼす具体的な悪影響について、5つの観点から解説します。 

既存従業員の負担が増加し労働環境が悪化する

必要な人材を確保できないと、既存の従業員にしわ寄せがいきます。一人当たりの業務量が増え、残業時間が増加し、休日出勤を余儀なくされるケースも出てきます。 

 

こうした過酷な状況が続けば、従業員の心身に負担がかかり、労働環境は悪化の一途をたどるでしょう。さらに、疲弊した従業員が離職すると、残された人員にさらなる負担がかかる「負のスパイラル」に陥ってしまいます。 

スキル開発や継承の機会が減少する

人手不足により日々の業務に追われると、若手社員や中途入社者を育てる時間が確保できなくなります。OJTや研修がおろそかになると、期待される戦力への成長が遅れる事態を招きかねません。 

 

また、ベテラン社員が持つ専門知識や技術を、次の世代に引き継ぐ機会も失われます。属人化が進み、特定の社員に業務が集中すれば、その人が離職した際に業務が回らなくなるリスクが高まります。 

従業員のエンゲージメントが低下する

慢性的な人手不足が続くと、従業員は「この会社に将来性があるのだろうか」と不安を感じるようになります。会社の成長が見込めないと感じれば、愛着心や帰属意識は薄れていくものです。 

 

エンゲージメントの低下は、仕事へのモチベーションの低下につながります。意欲を失った従業員が増えれば、組織全体の生産性が低下するだけでなく、サービスの質まで悪影響を及ぼしかねません。 

離職率が増加する

採用難による労働環境の悪化は、離職率の増加を招きます。一人の離職は残された社員にさらなる負担を強いるだけでなく「自分はこのままここにいて大丈夫か」という心理的な動揺を広げ、次なる離職予備軍を生むきっかけになりかねません。 

 

厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の離職状況(令和43月卒業者)」によれば、大卒者の3年以内離職率は33.8%に上ります。離職が続けば、残された社員の負担がさらに増す負の連鎖が生まれ、組織の維持そのものが困難になる恐れがあります。 

  

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和43月卒業者)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html 

採用や育成のコストがさらに膨れ上がる

採用活動が長期化すれば、求人広告費や人材紹介会社への手数料、採用担当者の人件費など、さまざまなコストが膨らみます。 

 

さらに深刻なのは、多大なリソースを投じて確保した人材が早期離職に至るケースです。それまでにかけた教育費や研修費が無駄になるだけでなく、再びゼロから採用業務をやり直すコストもかかります。 

 

人手不足により事業機会を逃せば、本来得られるはずの収益まで失う機会損失を招きかねません。新規プロジェクトの立ち上げや既存事業の拡大ができない状況は、企業の成長を停滞させる要因となります。 

採用難の状態を解消するには?取り組むべき9つの対策


採用難を乗り越えるには、自社の課題を洗い出し、具体的な対策を講じる必要があります。ここでは、中途採用を強化するための9つの対策を紹介します。 

①求める人物像を定義し直す

採用活動の精度を高めるには、まず「どのような人材が必要か」を明確にすることが重要です。とくに、中途採用では「即戦力」を求めるあまり、要件が曖昧になりがちです。 

 

具体的な実務経験やスキルレベルまで落とし込むことで、求める人物像が鮮明になります。たとえば「法人営業経験3年以上、年間売上目標5,000万円以上を達成した経験がある人」といったように、実際の業務成果を想定した表現にすると効果的です。 

 

また「必須要件」と「歓迎要件」を明確に分けることも大切です。中途採用では即戦力を求めるあまり、要件を盛り込みすぎて応募者がいなくなるケースがあります。必須要件を絞り込めば、応募者の幅が広がります。 

②就労条件や福利厚生を見直す

待遇面は、転職希望者が企業を選ぶ際の最も重要な判断材料です。中途採用では、現職よりも条件が良くなければ転職する動機が生まれません。競合他社や業界水準と比べて、自社の給与や休日制度が見劣りする場合は、改善を検討しましょう。 

 

ただし、賃上げが難しい中小企業もあります。そのような場合でも「裁量権を持って仕事ができる」「スキルアップ支援制度が充実している」といった点をアピールできます。転職希望者は、単純な給与額だけでなく「昇給の見込み」や「評価制度の透明性」も重視しているのです。 

③多様な働き方を導入する

リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務など、柔軟な働き方を提供できる企業には、応募が集まりやすくなっています。働き方の選択肢が多いことは、もはや「応募の最低条件」となりつつあるのが実情です。 

 

育児や介護との両立を目指す人、副業に取り組みたい人、地方に住みながら都市部の企業で働きたい人など、さまざまなニーズに対応できれば、採用ターゲット層が広がります。多様な働き方の導入は、既存社員の定着率向上にもつながります。 

④採用プロセスを改善する

選考プロセスが長引くと、候補者が他社に流れてしまうリスクが高まります。中途採用では、転職希望者が複数社の選考を並行して進めているため、スピードが重要です。書類選考の結果は3日以内に、面接後の連絡は当日中に行うなど、迅速に対応しましょう。 

 

また、面接の回数を見直すことも有効です。即戦力人材であれば「一次面接(現場責任者)最終面接(経営層)即日内定」といったスピード感が、他社との競り合いに勝つ鍵となります。 

採用担当者のトレーニングも大切

面接官の対応によって、候補者に与える印象は大きく変わります。とくに、中途採用では、面接官は「評価者」であると同時に、自社の魅力を伝える「営業マン」としての役割も担わなければなりません。経験豊富な転職希望者は、面接官の質を通じて企業のレベルを見極めているのです。 

 

面接官の何気ない言動や質問が、候補者の志望度を左右することもあります。「なぜ転職するのか」といった詰問口調ではなく「どのようなキャリアを築きたいか」など前向きな対話を心がけることで、企業への信頼感は大きく向上するでしょう。 

 

評価基準を明文化し、面接マニュアルを作成することで、面接官による評価のブレを防げます。また、候補者の疑問や不安に丁寧に向き合う姿勢を徹底することで、企業の印象を高められます。面接後の辞退が目立つ場合は、面接官向けの研修を実施し、スキルアップを図ることが重要です。 

⑤採用する人材の範囲を広げる

これまで採用対象としてこなかった層に目を向けることで、人材確保の幅が広がります。中途採用において「正社員経験者のみ」「業界経験必須」といった条件を緩和することは、これまで見つけられなかった優秀な人材と出会うための第一歩といえるでしょう。 

 

たとえば、地方採用では、リモートワークを活用することで、遠隔地の優秀な経験者にアプローチできます。都市部と比べて給与水準が低い地方在住者にとって、リモート可の求人は魅力的です。交通費や移動時間の負担を減らすため、Web面接を導入することも効果的です。 

 

シニア層の採用では、豊富な経験や専門知識を活かせるポジションを用意することで、即戦力としての活躍が期待できます。定年後も働きたいベテラン人材は多く、フルタイムにこだわらず週3日勤務などの柔軟な働き方を提示することで、採用の幅も広がるでしょう。 

 

外国人採用では、言語や文化の違いによる課題もありますが、グローバルな視点を持った人材を確保できるメリットがあります。受け入れ体制を整え、専門のサポートを活用することで、スムーズな採用が可能になります。 

⑥別の採用手法も取り入れる

既存の採用方法で成果が出ない場合は、新たな手法の導入を検討しましょう。中途採用では、転職潜在層へのアプローチが成功の鍵を握ります。採用手法には、主に以下5つの種類があります。 

 

・求人広告 

幅広い層にアプローチできる手法ですが、応募の質にばらつきが出やすい点があります。 

 

・ダイレクトリクルーティング 

企業から候補者に直接アプローチする「攻め」の手法で、転職を積極的に考えていない優秀層にもリーチできます。 

 

・リファラル採用 

従業員の知人や友人に紹介してもらう方法です。同業他社で働く経験者を紹介してもらえるケースも多く、企業文化に合った人材が集まりやすく、定着率が高いというメリットがあります。 

 

・人材紹介サービス 

専門のエージェントが企業と転職希望者をマッチングする手法です。即戦力人材を短期間で採用したい場合に向いています。成功報酬型のため、採用できなければコストがかからない点も魅力です。 

 

・採用代行(RPO 

採用活動の一部または全部を外部に委託するサービスです。限られた人員で採用業務を回している中小企業では、採用担当者の工数を削減し、コア業務に集中できる環境を整えられます。 

 

そのほか、近年注目されているのがSNS採用です。InstagramX(旧Twitter)、LinkedInなどを活用し、企業の魅力を発信することで、転職潜在層との接点をつくれます。日常的な情報発信を通じてファンを形成し、長期的な採用活動につなげることが可能です。 

 

複数の手法を組み合わせることで、採用活動の効率が高まります。自社の状況に合った手法を選び、柔軟に取り入れていきましょう。 

 

⑦インターンを実施する

中途採用でもトライアル的な施策は有効です。「カジュアル面談」や「1日職場体験」など、転職希望者が実際の業務や職場の雰囲気を体験できる機会を設けることで、ミスマッチを防止できます。 

 

カジュアル面談では、選考の枠組みを外した「ざっくばらんな対話の場」を重視しましょう。転職希望者が抱える不安や疑問に丁寧に答えることで、企業への理解が深まり、志望度が高まります。 

 

とくに、経験豊富な人材ほど、入社後の具体的な業務内容や裁量権の範囲を知りたがっているため、現場社員との対話機会を設けるのも効果的です。 

 

また、選考の一環として「短期プロジェクト参加」や「業務シミュレーション」を取り入れる企業も増えています。実際に手を動かしてもらうことで、スキルレベルの見極めができるだけでなく、転職希望者側も入社後のイメージを持ちやすくなります。 

 

中小企業の採用現場においては、知名度の低さが課題となりがちです。こうした体験型の施策を積極的に実施することで、自社の存在を知ってもらい、関心を持ってもらうきっかけをつくることができます。 

⑧DX化を進めて業務を効率化する

デジタル技術を活用して業務を効率化することで、人手不足の影響を軽減できます。ATS(採用管理システム)を導入すれば、応募者の管理や選考状況の把握が自動化され、採用担当者の負担は軽減されるでしょう。

業務の効率化により浮いた時間を、候補者との対話や面接の質向上に充てることが可能です。また、既存社員の業務負担が軽減されれば、働きやすい環境が整い、定着率の向上にもつながります。

ITツールやシステムの導入には初期コストがかかりますが、長期的に見れば採用コストの削減や、生産性向上に貢献します。できる範囲から段階的にDX化を進めていくことが大切です。

⑨ミスマッチ防止・定着率アップの施策を行う

中途採用では、内定を出して終わりではありません。入社前から入社後のフォローを丁寧に行うことで、早期離職を防ぎ、定着率を高められます。 

 

内定後は、入社日までの期間が空くケースも多くあります。この期間に定期的な連絡を取り、不安や疑問に答えることが大切です。現職の引き継ぎ状況を気にかけたり、入社後の具体的な業務内容を共有したりすることで、入社への期待感を途切れさせることなく維持できます。 

 

入社初日には、配属先のメンバーとの顔合わせや、業務の全体像を説明する時間を設けましょう。中途入社者は即戦力として期待されるプレッシャーを感じやすいため「最初の1か月は慣れる期間」といった明確なメッセージを伝えることが重要です。 

 

定期的な1on1面談を実施し、不安や悩みに耳を傾けることも必要です。入社後3か月、6か月のタイミングでフォロー面談を行い、順調に業務に取り組めているかを確認しましょう。 

 

心理的安全性を高める取り組みは、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。長く活躍してもらえる組織づくりを目指しましょう。 

まとめ


採用難は、少子高齢化や働き方の多様化といった社会全体の変化により、多くの企業が直面している課題です。とくに、中途採用においては、即戦力を求めるため競争が激しく、優秀な経験者ほど複数社から声がかかり、企業が選ばれる側に立っています。 

 

採用難を乗り越えるには、求める人物像の明確化、待遇や働き方の見直し、採用プロセスの改善、多様な採用手法の導入、定着施策の強化など、さまざまな角度からアプローチすることが大切です。加えて、選考スピードの改善と、転職希望者の不安に寄り添う姿勢が、中途採用成功の鍵を握ります。 

 

株式会社プレイス&アビリティでは、SNS採用や採用代行(RPO)など、中途採用の強化を支援するサービスを提供しています。限られた人員とリソースの中で成果を出したい人事担当者の方は、ぜひプロの知見を活用してみてはいかがでしょうか。 

 

「求人を出しても応募数が安定しない」「即戦力となる人材が確保できない」といったお悩みがあればぜひお問い合わせください。

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