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人事アウトソーシングで業務を効率化!失敗しない選び方

人手不足が深刻化するなか、人事業務の負担軽減は多くの企業にとって喫緊の課題です。

採用活動の実務に追われ、本来注力すべき戦略的な業務に時間を割けないという声も少なくありません。

 

人事アウトソーシングは、給与計算や採用実務などの定型業務を外部の専門家に委託し、人事担当者がコア業務に集中できる環境を整える手段です。

 

本記事では、人事アウトソーシングの基本から導入ステップ、失敗しない委託先の選び方までを詳しく解説します。

人事アウトソーシングとは?

人事アウトソーシングとは、給与計算や採用実務、社会保険手続きといった人事業務を外部の専門企業に委託する経営手法です。日々の業務処理のみを任せる場合や、企画立案まで含めたトータルサポートを受ける場合まであり、委託範囲は企業によってさまざまです。

 

矢野経済研究所の調査によると、2023年度の人事業務アウトソーシング市場規模は11兆6,631億円に達しており、市場規模は拡大傾向にあります。

 

この背景には、少子高齢化によって人材を確保しにくくなっている状況があります。厚生労働省の「労働経済の分析」によれば、2023年の有効求人倍率は1.31倍 であり、多くの企業が人材不足に直面しています。

 

こうした状況下で、人事部門が定型業務に追われることなく、採用戦略の立案や人材育成といった戦略的な業務に注力するためには、外部リソースの活用が欠かせません。

 

人事アウトソーシングは、限られた人的リソースを最大限に活かし、企業の競争力を高めるための重要な選択肢です。

 

出典:株式会社矢野経済研究所「人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査」(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3812

出典:厚生労働省「第Ⅰ部 第2章 雇用情勢の動向|令和6年版 労働経済の分析」(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/24/1-2.html

アウトソーシングで依頼できる人事業務

人事アウトソーシングでは幅広い業務を外部に委託できます。ここでは主な委託業務を4つのカテゴリーに分けて紹介します。

 

こちらの記事では、採用代行について解説しています。

費用や業者の選び方も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

労務管理業務

給与計算は、人事アウトソーシングで最も多く委託される業務のひとつです。

給与計算に関する業務は多岐にわたります。残業代や各種手当の計算、社会保険料や税金の控除など複雑な処理を正確に行う必要があるだけでなく、法改正への迅速な対応も欠かせません。

 

社会保険手続きも委託の代表的な業務です。

健康保険や厚生年金保険の加入喪失の届出、算定基礎届や月額変更届といった定期手続き、労働保険の年度更新まで一括で代行してもらうことで、担当者の事務負担を大きく減らせます。

季節・スポット事務

年末調整は、年に一度集中的に発生する業務です。従業員からの申告書類の回収や控除額の計算、源泉徴収票の作成までの一連の作業をアウトソーシングすると、担当者の繁忙期の負担を減らせます。

 

入退社手続きも委託できます。雇用契約書の作成や社会保険の取得喪失手続き、備品の貸与返却管理など、タイミングが不定期で発生する業務をスポット的に依頼できます。

採用・実務代行

採用活動においては、求人票の作成から応募者対応、面接日程の調整、選考結果の通知まで、多岐にわたる実務が発生します。これらの業務をアウトソーシングすることで、人事担当者は面接や採用戦略の立案といったコア業務に集中できます。

 

近年では、SNSを活用した人材集めの方法が注目されています。InstagramやTikTokといったプラットフォームでの情報発信や、ダイレクトリクルーティングによるスカウト送信など、最新の採用手法を活用した支援を受けることも可能です。

 

内定者フォローまで一貫して任せられるサービスもあり、採用活動全体の質を高めることができます。

 

人事企画・相談

就業規則の作成や改定も専門知識を要する業務です。

労働基準法をはじめとする各種法令に準拠しながら、自社の実態に合った規程を整備するには、社会保険労務士などの専門家の知見を活用すると安心です。

 

人事制度の構築や評価制度の設計、研修プログラムの企画といったコンサルティング領域も委託できます。外部の客観的な視点を取り入れることで自社の課題を明確にし、効果的な施策につなげることができます。

人事アウトソーシングのメリット・デメリット

人事アウトソーシングには多くのメリットがある一方で、導入にあたって注意すべきデメリットもあります。これら両方を理解したうえで、自社に適した活用方法を検討しましょう。

メリット

人事アウトソーシングには「コスト削減」や「業務効率化」といった直接的な効果に加え、法令対応やセキュリティ強化による「経営リスクの軽減」にもつながるというメリットがあります。

コストの削減が可能

人事業務を外部に委託することで、採用コストや教育コストを変動費化できます。

正社員を雇用する場合は、給与に加え社会保険料や福利厚生費、教育研修費などの固定コストが発生しますが、アウトソーシングなら必要な業務量に応じた費用だけで済みます。

 

また、業務フローを見直すことで、無駄な作業を削減するきっかけにもなります。

給与計算システムの導入費用や保守費用を委託先が負担するケースも多く、トータルでのコスト削減効果が期待できます。

法令対策が可能

労働関連法令や社会保険制度は、頻繁に改正されます。

働き方改革関連法や育児・介護休業法の改正に対応するために、人事担当者は常に最新の情報を把握しなければなりません。

 

アウトソーシング事業者は、こうした法改正への対応を専門としており、最新の情報にもとづいて正確な処理を行います。

法令違反によるペナルティや訴訟リスクを回避できることは、企業にとって大きなメリットです。専門家による適切な対応によって、コンプライアンス体制を強化できるでしょう。

情報セキュリティの強化

個人情報の管理は、人事部門にとって大きな責任です。

プライバシーマークやISMS認証を取得している専門企業に委託すれば、高度なセキュリティ環境のもとで業務を進めることができます。

 

情報漏洩の多くは、社内のヒューマンエラーによって起こるとされています。専門企業では厳格なアクセス管理やデータ暗号化、定期的なセキュリティ監査などの対策を徹底しており、自社管理よりも安全性が高まるケースも少なくありません。

人材不足を解消できる

人手不足関連の倒産が過去最高水準で推移するなか、外部リソースの確保は企業存続に関わる重要な課題です。とくに中小企業やベンチャー企業では、専門知識を持つ人事担当者を採用することが困難な場合があります。

 

アウトソーシングを活用すれば、即戦力となる専門人材のノウハウを活用できます。急な退職や産休育休による人員不足にも柔軟に対応でき、業務が滞るリスクを抑えられます。

ノウハウを持ったプロに任せられる

人事業務には、給与計算の知識・労務に関する法的知識・採用トレンドへの理解など、高度な専門性が求められます。アウトソーシング事業者は、多数の企業を支援してきた実績とノウハウを持っています。

 

とくに採用分野では、SNSやダイレクトリクルーティングといった最新手法を取り入れることで、自社だけでは難しかった優秀な人材の確保が可能になるでしょう。

業務の効率化ができる

面接日程の調整や応募者への連絡といった煩雑な業務から解放されることで、人事担当者は採用戦略の立案や面接などのコア業務に集中できます。定型的なルーティンワークを外部に任せれば、限られた時間を戦略的な業務に充てられます。

 

クラウドシステムと連携することで、データの入力や集計も自動化されます。

業務プロセス全体がスリムになり、意思決定のスピードも高まります。

デメリット

人事アウトソーシングには注意すべきデメリットもあります。

事前にリスクを把握し適切な対策を講じることで、導入後のトラブルを防げます。

社内にノウハウが残らない

専門性の高い業務を外部に任せきりにすると、社内にノウハウが蓄積されません。委託先が事業撤退や倒産した場合、業務が滞るおそれがあります。

 

この問題を防ぐには、委託先に業務マニュアルを作成してもらうことが有効です。定期的にミーティングを行い業務の進め方を共有しておけば、最低限の知識は社内に残せます。

また、アウトソーシングする業務は「社内リソースで担う必要がない」と割り切る考え方もあります。

コストの負担がある

導入時には、初期設定費用として10万〜50万円程度 のコストが発生します。業務フローの構築やシステム連携、マニュアル作成などの準備作業にかかる費用です。

 

また、イレギュラー業務への対応やオプションサービスの追加によって、想定以上に費用が膨らむ場合もあります。契約時に基本料金の範囲と追加料金が発生する条件を明確にしておきましょう。

情報漏洩のリスクが懸念される

個人情報や機密情報を外部に預けることへの不安は、人事アウトソーシング導入の大きな障壁になりがちです。しかし、情報漏洩の多くは、社内で発生しているのが実情です。

 

リスクを最小限に抑えるには、委託先のセキュリティ体制を入念に確認することが重要です。ISMSやプライバシーマークの取得状況、データセンターの物理的セキュリティ、アクセスログ管理の有無などをしっかりチェックしましょう。

人材育成のやり方にミスマッチが起きる

研修プログラムや人材育成を外部に委託する場合、自社の企業文化や価値観が十分に反映されないリスクがあります。委託先が提供する標準的なプログラムが、自社の実情に合わない場合もあります。

 

このデメリットを回避するには、自社の理念や求める人材像を委託先と深く共有することが必要です。定期的なフィードバックを通じて、プログラム内容を調整していく姿勢が求められるでしょう。

 

一方で、外部の客観的な視点を取り入れることで、自社基準の偏りを改善できるというメリットもあります。自社の強みを理解し、伴走してくれるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。

迅速に対応できない場合がある

アウトソーシングでは、業務を依頼してから結果が返ってくるまでにタイムラグが生じます。そのため、緊急の問い合わせや、突発的なトラブルに即座に対応できない場合があります。

 

この問題への対策として、SlackやChatworkといったコミュニケーションツールを活用し、リアルタイムで連絡を取れる体制を整えることが有効です。契約時に、緊急時の連絡フローやレスポンスタイムの目安を明確にしておくことも大切です。

人事アウトソーシングの導入ステップ

人事アウトソーシングを成功させるには、計画的な導入プロセスが欠かせません。

ここではスムーズに運用を開始するための4つのステップを紹介します。

現状業務の洗い出し

まずは、現在行っている人事業務をすべて洗い出します。

給与計算・勤怠管理・採用実務・社会保険手続きなどについて、業務ごとに担当者、所要時間、必要なスキル、発生頻度を整理します。

 

この作業を通じて、重複している作業や非効率なプロセスを把握しましょう。

たとえば、複数の部署で似た書類をそれぞれ作成していたり、手作業で行っている業務が実は自動化できたりする場合があります。こうした課題を明確にすることで、アウトソーシングの効果を最大化できます。

委託範囲と目的の明確化

すべての業務を外部に出すのではなく「何を自社に残し何を外に出すか」を戦略的に判断します。コア業務とノンコア業務を切り分け、自社のリソースをどこに集中させるのかを明確にしておきましょう。

 

目的も具体的に設定します。「採用スピードを30%向上させる」「給与計算の処理時間を月10時間削減する」など定量的な目標を掲げておくと、導入後の効果測定がしやすくなります。

委託先の選定と見積もり

複数の事業者から見積もりを取得し、サービス内容や費用を比較検討します。

単に安さだけで選ぶのではなく、実績や専門性、セキュリティ体制、担当者との相性などを踏まえて総合的に判断することが重要です。

 

とくに、中小企業やベンチャー企業の場合は自社と同規模・同業種での実績があるかを確認しましょう。大企業向けのサービスでは、柔軟な対応が難しい場合があります。契約条件や解約条項も事前に確認しておくことで、後々のトラブルを防げます。

運用フローの構築と開始

委託先が決まったら、具体的な業務フローを設計します。

データの受け渡し方法や連絡手段、報告のタイミング、トラブル時の対応ルールなどを事前に細かく定めておきましょう。

 

導入初期は社内担当者と委託先が密に連携しながら業務を進めることが大切です。疑問点や改善点があればその都度フィードバックを行い、運用の精度を高めていきます。定期的な振り返りミーティングを設けることで継続的な改善につながります。

委託先を選ぶ際のポイント

アウトソーシングの成否は委託先選びで大きく左右されます。

ここでは、自社に最適なパートナーを見極めるための4つのポイントを解説します。

業務範囲と専門性の高さ

委託先によって、得意とする業務分野が異なります。

給与計算や労務管理に強い企業もあれば、採用支援や研修に特化した企業もあります。自社が委託したい業務に対して、十分な実績とノウハウを持っているかを確認しましょう。

 

採用支援を依頼する場合は、SNS活用や新卒採用の実績があるかが重要です。複数の業務を一括して任せるのか、特定業務だけをピンポイントで依頼するのかによって、選ぶべき委託先は変わります。

セキュリティ体制の確認

人事業務では、従業員の個人情報や給与情報といった機密性の高いデータを扱います。

プライバシーマークやISMS認証の取得状況は、必ず確認しておきたいポイントです。

あわせて、データセンターの物理的セキュリティやネットワークのセキュリティ対策、従業員への教育体制などもチェックしましょう。

 

可能であれば実際の作業現場を見学し、運用状況を自分の目で確かめると安心です。

情報漏洩が発生した場合の補償内容についても契約前に明確にしておくことが大切です。

柔軟な対応力とスピード

企業の成長や市場環境の変化にともない、人事戦略も変わっていきます。

採用人数の急な増加や新しい人事制度の導入などに、委託先がどこまで柔軟に対応してくれるかは重要なポイントです。

 

レスポンスの速さも確認しておきましょう。問い合わせに対してどれくらいの時間で返答があるのか、緊急時の連絡体制がどうなっているのかを事前に把握しておくことで、導入後のストレスを軽減できます。

担当者の相性と実績

どれだけ優れたサービスでも、担当者との相性が悪ければ円滑なコミュニケーションは望めません。提案段階のやり取りを通じて、担当者の人柄や説明の分かりやすさ、対応の丁寧さを見極めましょう。

 

業界特有の習慣や課題を理解している委託先であれば、的確で実情に合った提案を受けられます。導入事例を確認し、実際にどのような成果が出ているのかをチェックしましょう。

人事アウトソーシングの費用体系と相場

人事アウトソーシングの費用は、委託する業務内容や企業規模によって大きく異なります。

ここでは、主な費用体系と相場について解説します。

導入時の初期費用

アウトソーシングを開始する際には、初期設定費用が発生します。
相場は10万~50万円 程度で、業務フローの構築やシステム連携の設定、マニュアル作成などの作業が含まれます。

 

企業規模が大きく、既存システムとの連携が複雑な場合は、初期費用がさらに高額になることもあります。一方で、シンプルな業務委託であれば初期費用を抑えられるケースもあります。

 

見積もりの段階で、何にどれだけの費用がかかるのかを明確にしてもらいましょう。

採用代行における固定費+成功報酬型

採用代行の費用体系は、以下の3種類があります。

 

月額固定費型:毎月5万~100万円程度

成功報酬型:採用1名あたり60万~140万円程度

固定費+成功報酬型:たとえば月額10万円に加え、採用1名につき15万円といった形で、継続的なサポートと成果報酬を組み合わせます。

 

 

給与計算代行の費用は、月額基本料金(3万〜8万円)に加え、従業員1名あたり月額300円〜1,000円程度です。たとえば、従業員50名の場合、月額4万5,000円〜13万円が相場となります。

 

ただし、業務の複雑さや追加サービスの有無によって費用は変動します。

安さだけで選ぶと、対応範囲やサポート体制に問題が出ることもあるでしょう。中長期的な投資効果を考え、自社に合ったプランを選ぶことが重要です。

まとめ

人事アウトソーシングは、給与計算や採用実務などの定型業務を外部に委託し、人事担当者がコア業務に集中できる環境を整える有効な手段です。人材不足が深刻化する昨今、外部リソースを戦略的に活用することは、企業の競争力を高めるうえで不可欠になりつつあります。

 

導入にあたっては、メリットとデメリットを十分に把握し、自社の課題と目的を明確にすることが重要です。委託先を選ぶ際には、専門性やセキュリティ体制、柔軟性、実績といった観点から総合的に判断しましょう。

 

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